Friedel oscillation in charge profile and position dependent screening around a superconducting vortex core

町田 昌彦; 小山 富男*

Physical Review Letters, 90(7), p.077003_1 - 077003_4, 2003/02

https://doi.org/10.1103/PhysRevLett.90.077003

超伝導状態では、磁場は磁束量子として量子化され、限定された範囲に閉じ込められることが知られている。その一方、最近の磁束量子に関する研究により、磁束量子は電荷さえ磁束中心部に閉じ込め可能かもしれないという問題が、高温超伝導体で発見されたホール効果の異常を背景に多くの実験及び理論家により議論されている。本論文では、この最新のホットな話題である電荷閉じ込めに対し、微視的理論を基に数値計算した結果から、電荷分布の特徴と電荷の遮蔽効果を議論した。数値計算結果として特筆すべき新しい結果は、磁束のコア近傍で電荷のフリーデル振動がはっきり現れることであり、この発見は、電荷の遮蔽が超伝導体では、もっぱらトーマス・フェルミ型の単純な遮蔽効果で記述されるとした理論的常識を覆つがえした言える。しかも、このフリーデル振動は、超伝導コヒーレンスが短い量子極限では、磁束コア半径よりもさらに大きなスケールで現れるため観測可能であることも重要な発見である。本論文では、以上の計算結果を示すと同時に、超伝導磁束コアでのフリーデル振動の起源についても議論した。